シルクロード愛した人類学者・加藤九祚を後世に 茨城で「集い」 産経ニュース

加藤九祚さんの写真を手にする大野遼さん。背後は顕彰碑の設置予定地、左奥は霞ケ浦=茨城県かすみがうら市

シルクロード研究などに尽力した人類学者で、2016(平成28)年に94歳で死去した加藤九祚(きゅうぞう)国立民族学博物館名誉教授の功績を後世に伝えようと、加藤さんが初代名誉会長を務めたNPO法人「ユーラシアンクラブ」(服部英二名誉会長)は21日、茨城県かすみがうら市で対話の集まり「九さんの集い」を開く。 

加藤さんは北・中央アジア民族史の研究者。民博を退官後に中央アジア・ウズベキスタンで仏教遺跡の発掘を始め、調査中に現地で死去した。 ユーラシアンクラブは平成5年に設立、アジアの少数民族との文化交流を続けてきた。加藤さんの顕彰碑と記念館「対話の館」の設置を計画し、かすみがうら市牛渡の霞ケ浦を望む民家を候補地として、資料庫の設置などを進めてきた。 


大野遼会長(74)は「多くの人から愛され、ユーラシアの人と文化をつないだ『九さん』の心を継承し、人と文化の理解・親睦・協力の促進を模索して活動する施設にしたい。霞ケ浦は人類史をじっくり考え、ユーラシアの諸民族が国家・民族・宗教を超えて共生を模索する場所として最適な場所」と話す。 「集い」は加藤さんの生誕101年とNPO設立30年を記念して21日午前11時から、同民家で開催。ヒマラヤカレーやバーベキューが振る舞われ、顕彰碑や記念館のあり方を語り合いたいという。加藤さんゆかりの人々に声をかけているほか、一般参加も歓迎。会費1千円。

JR常磐線土浦駅から送迎あり。問い合わせは同NPO(090・3814・5322)。

産経ニュース より