マニラ共同のニュースによりますと、フィリッピンのラモン・マグサイサイ賞財団は、7月30日、アジアのノーベル賞といわれるマグサイサイ賞をアフガニスタン国立博物館館長のオマラ・マスーディ氏に授与した。
バーミヤン遺跡の大仏破壊など多くの文化遺産の破壊を行ったタリバン政権下で、博物館の所蔵品を安全な場所に隠し、退職を迫られてからは野菜の行商をしながらそれらを護り続けたという。
タリバン崩壊後に館長に就任したマスーディ氏の戦中戦後の活躍の模様は、アフガニスタン文化研究所の発行する「ニュースレター」第38・39号に連載されている。
2014年8月1日
暑中お見舞い申し上げます。
アフガニスタンの大統領の決戦投票も終わりましたが、集計でいまだ決着がついていません。アフガニスタンにとっては戦後の新しい転換点ともなるべき重要な時期、民族和解を成し遂げて、アジアの平和の基点として再生して欲しいと願っております。
アフガニスタンの文化情報省と世界遺産バーミヤン遺跡の保存に力を注ぐ現地のスタッフからの緊急な要請により、「バーミヤン遺跡入場券」の作製を要請され、皆さんに寄付金の協力をお願いいたしましたところ、ひとり、またひとり、情報を広げて下さり、必要な募金額をほぼ達成することができました。
深く、深く御礼申し上げます。
「バーミヤン遺跡入場券」は、印刷所の協力も頂いて完成し、すでにアフガニスタンのユネスコ・カーブル事務所に送付致しました。その後、無事チケットは関係者に手渡されたという報告を受けました。
バーミヤンはいま夏を迎え、紺碧の空と褐色の岩肌、コー・エ・ババ(父なる山)の眩しい白銀の雪や薄紫の苜蓿(うまごやし)の花々に囲まれ、装いを凝らし、観光客の訪れを待ち受けていることでしょう。皆さんの寄付金で作って頂きましたチケットは、訪れる各国の人びとの手に渡り、アフガニスタンの忘れ得ぬ思い出としてそれぞれの国でいつまでも残り続けること思われます。
皆さんのご厚意に感謝をこめて、出来上がりましたチケットを寄付者へのお礼の印として徐々にお手元に届けさせて頂きます。どうぞ大切に保管しておいて下さいますようお願い致します。
アフガニスタン文化研究所は、「ニュースレター第41号」の紙面に、寄付者の氏名(住所は記載しません)を記載し、感謝に替えさせて頂きます。ご支援有り難うございました。
これからも持続されますバーミヤン遺跡保存事業を今後ともご支持、ご後援下さるようお願い申し上げます。
手を携えてバーミヤンを訪れることのできる日を心待ちにしつつ。
アフガニスタン文化研究所長
前田 耕作